性病のピンポン感染

性病のピンポン感染について

性病の治療でもっとも気をつけなければならないのがピンポン感染です。
これは簡単に言えばピンポン(卓球)のようにボール(病気)が相手と自分をいったりきたりを繰り返す状態のことです。
20代、30代の性病患者数や性病キャリア数が年々増加し、全体の半数にも及んでいます。
そこで、ピンポン感染の実態をご紹介します。

無症状の期間が一番危ない
性病の感染源となる病原菌が体内に侵入すると、無症状の潜伏期間があります。
抗体反応が出ない空白期間なので、検査しても陽性反応はあらわれませんが、無症状であるにもかかわらず、体内に病巣を作っています。
この間に性交渉するとパートナーに感染します。
クラミジアや淋病などは女性の場合、長期間無症状の場合が多く、気づかないうちにパートナーにうつしてしまうことも少なくはありません。


性病は口からも感染する

こわいのは病原菌が口から侵入して喉頭などに病巣を作ることです。
淋病、クラミジア、ヘルペス、梅毒などがこれにあたりますが、自覚症状がないため放置しておくと菌はどんどん増殖し、症状が進行してくると確立的にはほんのわずかですがキスでもうつります。


コンドームでは防ぎきれない性病もある

梅毒は股間の付け根の部分に発症することが多く、コンドームでは防ぎきれません。
初期にはしこりができますが、痛みがないので気づかず放置してしまうことが多く、 症 状が進行してくると、ただれて病原菌が大量に発生します。
ただれてくると、傷を治そうとする浸出液が外に流れ出しますが、装着時にコンドームの外側につけ ばこれでも充分に感染します。
ヘルペスやコンジローマは肛門周辺などわかりにくい部分に感染するケースが多く、これらもコンドームでは防ぎきれません。
また、イチャイチャした時に病原菌がついてしまった手で陰部を触ったりすると、どの性病でも感染します。
ちょっとした浮気心、エッチしていないから大丈夫、予防しているから大丈夫という過信は禁物です。
性感染症に感染すると、粘膜が弱りHIVの感染率が急激に上昇します!B型肝炎も輸血などでうつると思っていたらNG!性交渉でうつる確率が高いんです。
性病は通常の血液検査では発見することはできません。
大切なひとを守るためにも、少しでもおかしいなと思ったら専門医を受診しましょう。


パートナーへ伝える重要性

もうひとつの問題点は性感染症に対する世間の偏見や本人の羞恥心です。
性感染症が疑われた場合、どうしても他の人に知られるのが恥ずかしく、パートナーにも黙ったまま治療を受ける場合が少なくありません。
その場合、すでにパートナーにも感染してしまっているのも関わらずそのことがわからないため、せっかく治療してもパートナーからうつされて再発してしまうことが多いのです。
また一方が浮気して病気をうつされてしまった場合もパートナーに隠したまま治療を受けるケースが多く、ピンポン感染の原因となります。
止まらないクラミジア感染スパイラル せっかく医療機関で治療を受けて完治したのも関わらずパートナーが感染しているため、性行為を通して再び感染してしまうのです。
女性が発症して治療を受けた後に男性からうつされ、今度はその男性が治療を受けた後に再発した女性からうつされ…を繰り返していつまで経ってもクラミジアから解放されない状態に陥ってしまうのです。
これはクラミジアの自覚症状の乏しさと再発率の高さが深く関わっています。
クラミジアは自分で自覚しないまま発症し症状が進行する病気です。
女性の方が自覚症状に乏しいと言われますが、男性の場合は軽い症状があらわれても放置してしまうケースが多いのが大きな問題です。
そのためパートナーのクラミジアの発症が明らかになった場合でも自分は関係ないと検査や治療を受けないケースが多いのです。


性病はピンポン感染が怖い

性病においてよく危険だと言われているのがピンポン感染とよばれる物です。
これは、例えば親しい間にある男女がそれぞれ同じ感染症に罹った場合に男性だけが治療しても、女性が治さなかった場合も男性もまた感染してしまう事を言います。
潜伏期間が長い疾患や、自覚症状が少ない病気であると特に危険で治さないまま慢性化する可能性があり、病気が完治できない事になる事があります。
さて、そのようなピンポン感染、なぜ性病で特に怖いのかといえば、性病の感染形式にあります。
性行為だけでなく、傷ついた粘膜などを汚染された手やタオルで触れるだけでも感染してしまうリスクが有ります。
そのため、カップルの間だけでなく、友人たちにも広まってしまう事は珍しくありません。
また、片方が一度治療しても、相手が治療できてない場合は治らないため、いつまでたっても同じ疾患に悩まされる事になります。
特に性病は、症状が軽度なものであればそれ自体は問題ないのですが、仮に他のウイルスが身体に入ってきた場合、感染リスクが非常に上がってしまうという事もあります。
クラミジアや淋病であれば早期の治療で問題を取り除くことが出来ますが治療中にHIVウイルスなどが侵入すると簡単に罹ってしまうようになっていますので、必ず治療が必要です。
ピンポン感染が起こりやすい性病だからこそ、パートナーに対しても適切な予防行動をとらせる事が大切です。
先に述べた例では男性が治療に行っている事を想定していますが、原因となるのは主に男性が多いのが性病です。
女性が主体的なコントロールが難しい性病予防ですが、しっかりとコンドームを付けさせて、通院させる事が重要ですので、お互いの身体を大切にするためにも通院、治療を徹底するようにしましょう。